ワキガ以外の体臭の多くは、日常のケアで消すことができます。特別な手段を用いるわけではありませんので、誰にでもでき、それなりの効果も見込めます。ここでは体臭の改善方法、あるいは消すための「体臭対策」について考えてみることにしましょう。
ひとくちに体臭対策といっても、二つの考え方があります。まず第一に「体臭を発生させない」、つまり臭いの元を抑えてしまうというもの。これは体臭の原因を見きわめたうえで、対策を施すというスタンスです。対策のポイントとしては食事…食べ物をはじめとする生活習慣の見直しが主になります。
もう一つの考え方は、発生した臭いを抑える、あるいは消し去るというアプローチです。体臭の原因をチェックしたうえで、その臭いが発散しないようにする方法ですが、これは各種の消臭剤や制汗剤を使うことで対処できます。ワキガのような強い臭いでない限り、オードトワレや香水を使ってカバーする、という方法も効果的でしょう。
臭いの原因を抑えて体臭を絶つ
悩みの種である体臭を元から改善するために、まず第一に重要なのが毎日の食事です。食事が私たちの健康に与える影響は極めて大きく、体臭も例外ではありません。食事ひとつで体臭は強くもなれば、ほとんど気にならないレベルにまで改善することもできるのです。
では、体臭をきつくする食事とはどのようなものなのでしょうか?
まず第一に、臭いの強い食べ物です。判りやすいところでニンニク、ニラ、ネギなど、それ自体が臭いの強いものは、食事として摂ると効果てきめん、すぐに体臭となって表れます。口臭としても残るうえに汗の臭いにも大きく影響しますから、臭いを抑えようとするのであれば、まずこうした食品は遠ざけたほうが良いでしょう。
次に大きな影響を及ぼすものが肉類です。動物性脂肪を多く摂りすぎると不飽和脂肪酸が増加することになり、それが体臭をきつくしてしまいます。これは一般的な体臭・口臭はもちろんのこと、ワキガの臭いにも大きく影響するので注意が肝心です。また肉類とともに、バターや乳製品など、動物性脂肪を多く含む食品も避けたほうが良いでしょう。
さらにアルコール…つまりお酒の量も、ほどほどにすることが肝要です。お酒好きな方なら皆さんよくご存じかと思いますが、体内に摂取されたアルコールは肝臓で分解され、尿として排泄されます。ですがあまりにアルコールの量が多いと処理しきれず、いずまでも体内に留まります。それが息や汗に混じって排出され、「酒臭い」という状態になります。
髪や足の臭いも決して愉快なものではありませんが、アルコールを含んだ口臭は周囲にだらしのない印象を与えやすいもの。特にお酒を飲まない人は敏感に感じ取ります。日頃のストレスを発散するためにはお酒の効用は大きなものですが、やはり適量に止めておくのが賢明かもしれません。
「めかぶ」で体臭が改善できるか?
ひところ、「めかぶを食べると体臭が消える」と話題になったことがありました。これは実際の実験結果を踏まえた上での論理で、テレビでも特集が組まれたりしましたので、ご存じの方も多いことでしょう。実際には、めかぶには「体臭を消す」という効果は期待できそうもありません。ですがめかぶの「ねばねば」の主成分であるフコイダンには、体臭の元となる物質…代表的なところではアンモニア臭を発するアンモニアなどを体内で取り込み、その排出を助けるという作用があります。こうしたことから、ニオイ対策としてフコイダンのサプリメントを愛用している方も少なくないようです。
外食が多い人は体臭に要注意
外食が多い方は特に体臭に注意が必要です。一般的な傾向として外食は油分が強く、また味の濃いものが多いものです。どうしても高タンパク・高カロリーになりやすいうえ、栄養の偏りを招きやすいものでもあります。
ことに注意したいのが、いわゆるファーストフードです。ハンバーガーを筆頭に、すでにすっかり日本の食生活に馴染んだ感のあるファーストフードですが、これらが決して悪いというわけではありません。ですが一般的な傾向として、こうしたファーストフードには不飽和脂肪酸を多く含む食用油が使われることが多く、それが体の臭いを助長することにつながってしまう、ということは覚えておいたほうが良いでしょう。便利だからと常用していると、知らず知らずのうちに体の臭いを強くすることになりかねないのです。
ものごとすべてがスピードアップした現代、ほとんどの方々が時間に追われるようにして毎日を過ごしています。ですが食事は仕事以前に「生きるための基本」です。それをおろそかにしてしまっては、体臭はもちろんのこと健康に良いはずはありません。食生活の乱れは生活習慣病をはじめ、さまざまな疾病の原因にもなるのですから、時には自分自身を見直してみることも必要なことでしょう。
体臭を発するその他の原因
このほか、体の臭いの原因となるものはいくつかあります。別の項目でもお話しした「加齢臭」などは、代表的なものです。見方を変えれば「男臭さ、男性の体臭」としてプラスに見ることもできますが、多くの場合は敬遠されがちなものですから、やはり抑えられればそれに越したことはありません。ちなみに加齢臭は女性にも起こるものですから、気になる方はそれなりの対策を講じておくことが大切です。
犬や猫などのペットに臭いがつく、というケースもあります。ことに大型犬などになれば臭いもハッキリとしてきますので、移り香として体につくことは充分にあります。本人はまったく気にならないとしても、他人には気づかれやすいものです。
シャンプーや石けん、化粧品の匂いも体臭を構成する要素の一つです。もっとも、これらは多くの場合「好ましい香り」として認識されるものですから、あえて排除する必要なないかもしれません。ですがオードトワレや香水と同様、好ましいニオイでも度が過ぎると周りの人に不快感を与えます。ですからあまりに香りの強いものは避け、無香料や微香性の商品を選ぶようにすると良いでしょう。
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