わきが(ワキガ)・多汗症の手術方法

わきが（ワキガ） 手術その1：吸引法（超音波法）

わきの皮膚に小さな穴をあけ、そこから細い吸引管や超音波器具を差し込んで汗腺類を破壊しながら吸い取ってしまう方法です。 目立つ傷跡が残らずキレイに仕上がりますが、手探りでの手術になるため、効果が不安定になりがちです。


わきが（ワキガ）手術その2：皮下組織削除法

わきを数センチの長さに切開し、皮下の汗腺類を目視確認しながら取り除いていきます。吸引法に比べると治療効果が高い反面、わきが手術の傷跡が大きく残る、出血が多くなりやすいなどのデメリットもあります。そのために手術範囲が狭くなり、効果が得にくいというジレンマに陥りがちです。

医療は日進月歩で進化し続けており、わきが手術も例外ではありません。常に新しい治療法や手術法が考案され、開発されています。私自身の経験でも、かつては吸引法でわきが手術を行っていました。ところがこの吸引法では、どんなに頑張ってもすべての汗腺類を取り除くことができず、2 割前後の「取り残し」が残ってしまうのです。それでも当時の水準からすれば、治療効果や患者様への負荷、仕上がりの美しさなどを考えあわせると、吸引法はとてもバランスの取れた治療法でした。ですから私自身「80％除去できれば良しとしよう」と、その効果に納得していましたし、患者様からも「簡単に治療できて傷も残らず、痛みも想像より少なく最高です。少しくらいニオイが残っても、十分満足です」と感謝されていたのです。
しかしある日、医学雑誌に載せられていた論文を見て、私は驚きました。それは『超音波を用いたわきが治療』について書かれたものだったのです。
超音波を活用して汗腺類を破壊する。確かにこの方法ならば、吸引法以上の治療効果を期待できるかもしれません。私はすぐに関連資料を取り寄せ、研究を始めました。その結果、次の結論に達したのです。
「これまでの私のわきが( ワキガ) 治療は完全とはいえない。実際に、ニオイの原因である汗腺類は80％しか取り除けていないのだから。だが、この方法でわきが手術を行えば、完璧に近い治療ができるに違いない」そして、その機器を使用することで、皮下の汗腺類をパーフェクトと思えるほどに破壊することに成功しました。
しかし、これですべて解決…というわけにはいきませんでした。超音波によって破壊された汗腺は、どれほど強力な吸引器を使っても、完全に取り除くことができなかったのです。これは言い方を換えれば「吸引法と超音波を組み合わせても、完璧な治療とはならない」ということです。
私は再び試行錯誤を始めました。吸引できない汗腺、わずかながらも発生してしまう取り残した汗腺を、どうやって処理すればよいか。さんざん考えた末に私が見つけたのが「高周波による分解」という方法でした。超音波で破壊し、吸引除去してもなお残った汗腺類を、高周波で分解処理してしまうのです。こうして、従来法を大きく超える治療効果が期待できる「トリプル・メリット法」が誕生したのです。

北村式独自の改良の成果である「トリプル・メリット法」は、すでに数多くの実績を上げ、汗や臭いに悩む方々を救ってきたと自負しています。そして医療機器の開発や技術の進歩によって、さらなる進化を遂げました。それが「超音波トリプルメリット法」です。
ベイザーとは近年になって登場した医療用超音波機器で、「ベイザー波」という特殊な超音波を発生させます。美容整形の分野では脂肪吸引の手術に主に用いられています。超音波には、出力や周波数を調整することにより、傷つけたくない組織を温存し、狙った組織だけを破壊できる「選択性」という特性があります。ベイザーはこれまでの超音波手術器以上に選択性が高められており、より効率の良い治療を行えるのです。 北村クリニックではこのベイザーをワキガ・多汗症治療に応用することで、今まで以上に効率的な治療を可能にしました。さらに「医療レーザー」による処置を加えることで、皮下の汗腺類をよりスムーズに破壊・除去できる手順を構築しています。
汗と臭いの原因である汗腺類をより効率良く、しかも多角的に破壊・除去する「超音波トリプルメリット法」。これは常に進化を続ける北村式治療においても、際だった存在です。先端技術を効果的に組み合わせ、より高い治療効果を目指した素晴らしい治療法だと自負しています。その実力を、汗と体臭でお悩みのあなたに、ぜひ実感していただきたいと思います。